甲鉄城のカバネリ-乱-とは
人を喰らい自らの同族と為す、不死にして不浄の怪物、カバネ――
世界を覆いつくしたカバネが日ノ本へと上陸してから二十年の歳月が流れた
西ノ国を治めていた天鳥幕府は将軍の逆鱗に触れて勘当された嫡男
天鳥美馬の謀反により崩壊
その首府であった金剛郭はカバネに飲まれた
天鳥幕府の崩壊に伴い、日ノ本の情勢は一気に変貌した
西ノ国と隣接した日ノ本中部を占める中ノ国――
ここ中ノ国には中央政権が存在せず、十国二都と呼ばれる独自勢力が緩やかな連合を成していた
互いに物資を融通しながらカバネの脅威に対抗する各国
その命脈を繋ぐのは国中に張り巡らされた鉄道網だった
鉄道網は國鉄衆と呼ばれる独立した技巧集団が管轄しており
國鉄衆による公平な物流こそが中ノ国の生命線であった
しかし――
カバネの侵攻により鉄道網は崩れ、物流は滞り始めた
民人の不安を払拭するtめ、自国の防護を固めるため……
各国は資材や食料の専有を行い始めた
地理的忠臣であり多くの農業駅を抱える美濃が公然と物資の備蓄を開始
美濃による物流差配はじわじわと中ノ国を蝕み、疑心暗鬼が広がっていく
そうして生き残りをかけて各国が様々な思惑を巡らせる中――
東ノ国との境に位置する遠江が突如として周辺各国への侵攻を開始した…